MA-E3xx/4xx は、ファイルシステムが下記のように構成されています。
tmpfsはRAMディスクですので、電源をOFFした際にすべての変更が失われてしまいます。
ただし、それだけでは実運用に困りますので、電源OFF/ON時に本体Flashメモリに 書換可能領域 を保存・リストアする仕組みを設けています。
書換可能部分は、下記4領域に分割して保存しています。
No. | ファイル名 | 用途 |
---|---|---|
1 | overlays_etc.tar.xz | (主に) /etc 以下の設定保存用 |
2 | overlays_home.tar.xz | /home, /root 以下 (ユーザ作業領域)保存用 |
3 | overlays_log.tar.xz | /var/log 以下、syslog保存用 |
4 | overlays_other.tar.xz | その他 (追加導入したパッケージ等)保存用 |
保存先のディレクトリは、/rw.tmpfs/.overlay で、約39MiB3)ほど確保してあります。
[例] 保存されたファイル
root@plum:~# ls -l /rw.tmpfs/.overlay/ total 92 -rw-r--r-- 1 root root 972 Mar 10 18:55 overlays_etc.tar.xz -rw-r--r-- 1 root root 108 Mar 10 18:55 overlays_home.tar.xz -rw-r--r-- 1 root root 84892 Mar 13 13:00 overlays_log.tar.xz
4つのファイルのうち、No.1〜3 はシャットダウン・再起動時に自動的に保存処理が行われます。
(明示的に任意のタイミングで保存処理を行うことも可能です。)
No.4 については、コマンドにより明示的に保存処理を行う必要があります。
[使用方法の表示]
user1@plum:~$ sudo overlaycfg Usage: overlaycfg [options ...] -s <kind> : save files on overlay area. kind is one of 'home', 'log', 'etc', 'other'. -i : initialize overlay area (Reset to factory default). user1@plum:~$
[実行例: No.4 を保存]
root@plum:~# overlaycfg -s other root@plum:~#
オーバーレイ領域の保存用に確保しているフラッシュメモリの容量を超えて保存しようとした場合、
保存処理に失敗して、再起動時に内容が復帰されません。4)
下記のような、圧縮が効かないファイルの場合、予想以上に保存領域の容量を使用しますので特に注意が必要です。
v2.8.1 より、オーバーレイ保存領域 (/rw.tmpfs/.overlay) を通常時 mount しないように変更しています。
突然の電源断でも破損の危険が無いようにするためです。
そのため、上記の作業をするためにはまずオーバーレイ保存領域を mount する必要があります。
user1@plum:~$ sudo mount_overlay -h Usage: mount_overlay [options ...] -u : unmount overlay partition.
user1@plum:~$ sudo mount_overlay * mounting overlay partition...